令和3年度 豊橋医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 15 52 52 92 217 316 495 962 829 256

[定義]

  令和3年度に一般病棟を退院した患者さんを年齢階級別(10歳刻み)に集計しています。ただし、90歳以上は1つの階級としています。年齢は入院時の満年齢です。

[解説]

  1年を通して新型コロナ感染症の影響がみられた令和3年度の退院患者数は、前年度より5%ほど減少しています。その中で、0~10歳では減少が、80歳代でやや増加がみられました。

  当院には、重症心身障害用施設もあり、常勤の小児科医が対応しています。20歳未満の患者さんも少数ですが入院しています。しかし、大半は60歳以上の高齢者の入院となります。高齢になると、内科的疾患、脳血管系疾患、消化器外科的疾患、整形外科的疾患も増えてくるため、それぞれの科においても患者数が増えてきています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 6 1 7 37 5 5 1 8
大腸癌 6 18 23 58 3 14 1 8
乳癌 43 56 36 22 1 9 1 8
肺癌 1 0 1 9 0 2 1 8
肝癌 0 1 1 2 1 0 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

[定義]

  5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を、初発のUICCのTNMから示される病期分類別および再発に分けて集計しています。ただし、患者数は令和3年度に退院した延患者数となっています。UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた病期(ステージ)分類であり、原発巣の大きさと拡がり(T)、所属リンパ節への転移の有無/拡がり(N)、遠隔転移の有無(M)の要素によって、各癌をI~IV期の病期に分類するものです。

[解説]

  当院の各種がんに対する治療では、拡大手術から、低侵襲の手術までの各手術を中心に、化学療法、放射線治療、緩和ケアなども含めた質の高い集学的治療をこの東三河地区で提供しています。また、がん疾患の終末期の患者さんを対象に、東三河地区で唯一の緩和ケア病棟(48床)をもって、特色ある心のこもった緩和ケアサービスを提供しています。

  令和3年度の5大癌の患者さんの延べ患者数は、前年度と比べ14%減少しています。この変化は、新型コロナ感染症の影響していることが考えられます。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 12.23 60.00
中等症 59 25.81 83.71
重症 8 40.25 85.38
超重症 4 23.50 84.75
不明 0 0.00 0.00

[定義]

  重症度分類は、A-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階に分類して集計しています。ただし、重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類しています。A-DROPスコアとは、日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインに掲載されている肺炎重症度分類の定義であります。成人(15歳以上)の病院外で日常生活を送っていて発症した肺炎患者さんについて重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢について集計したものです。10未満の数値の場合は、「-(ハイフン)」で表記しています。

【重症度分類:A-DROPスコア】

  A.年齢:男性70歳以上、女性75歳以上  D.脱水:BUN21mg/dL以上または脱水あり  R.呼吸:SaO2<=90%(PaO2 60Torr以下)  O.意識障害:意識障害あり  P.収縮期血圧:収縮期血圧90mmHg以下  重症度は各項目の該当数により評価され、0は軽症、1~2は中等度、3は重症、4~5もしくはショックに該当する場合は1項目であっても超重症となります。また、5つの項目のうち、1つでも不明の評価があると、重症度は不明としています。

[解説]

  肺炎は当院内科の主要治療対象疾患ですが、今年度はA-DROPを用い、重症度をより精密に判定するようにしています。令和3年度でもすでに、肺炎重症度で重症以上と判断される方が、肺炎全体の約15%を占めていますが、高齢者肺炎の入院数の増加に伴い今年度はさらに比率増加が見込まれます。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 180 29.35 78.19 42.78
その他 14 29.79 82.29 5.15

[定義]

  医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞(国際疾病分類(ICD10コード)がI63$)である症例数を発症日から「3日以内」「その他」に分類して集計しています。 ICD-10コードとは、International Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の略称で、世界保健機構(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した、傷病に関する分類です。現在は1990年に改訂された、第10回修正版(ICD-10)が採択されています。

[解説]

  当院の脳神経外科は、救急医療に重点を置き診療を行っております。とくに脳卒中では脳卒中センターを設置し、多職種によるチーム医療を専門病床で行うことにより、治療成績の向上をめざして取り組んでいます。 当院における脳梗塞症例のほぼ9割は発症3日以内の超急性期〜急性期脳梗塞であり、発症早期にしかできないt-PA静注治療(経静脈的血栓溶解療法)や血管内治療による血栓回収療法を積極的に行っています。また、入院後は早期からリハビリを開始し、自宅退院や脳卒中地域連携パスを使用しての回復期リハビリ病院、療養型病院への転院など地域の医療機関と連携強化に努めています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 131 1.05 24.50 62.60 78.77
K0821 人工関節置換術(膝) 等 124 2.28 22.95 12.90 72.07
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 66 1.80 30.79 78.79 80.95
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 56 3.54 6.91 0.00 58.13
K142-5 内視鏡下椎弓形成術 50 3.72 11.08 6.00 69.06

[定義]

  手術件数の多い順に5術式について、手術術式の点数表コード(Kコード)に対する患者数、平均術前日数、術平均後日数、転院率、平均年齢及び患者用パス(任意)を集計しています。一入院期間で手術を複数回行った場合は、主たる手術(一番点数の高い手術)のみをカウントしています。

[解説]

  当院の整形外科は豊橋の2次救急を担っており年間1000件以上の手術を行っています。半数近くが骨折等の外傷の手術ですが、変性疾患に対しては脊椎内視鏡手術や人工関節手術を多く行っています。

  2021年からは関節鏡手術(特に肩、膝)にも力を入れています。低侵襲にこだわった治療を行っています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 71 0.14 2.46 1.41 71.38
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 37 2.46 7.38 2.70 63.54
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 37 1.03 4.73 2.70 59.32
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 27 2.41 4.70 0.00 63.52
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 23 1.74 4.74 0.00 63.57

[定義]

  手術件数の多い順に5術式について、手術術式の点数表コード(Kコード)に対する患者数、平均術前日数、術平均後日数、転院率、平均年齢及び患者用パス(任意)を集計しています。一入院期間で手術を複数回行った場合は、主たる手術(一番点数の高い手術)のみをカウントしています。

[解説]

  外科では、食道・胃・大腸と肝・胆・膵の各種の消化器がんと乳がん、甲状腺疾患から、胆石症、ヘルニア、痔疾患などの一般外科疾患と急性虫垂炎や腸閉塞、腹部外傷、消化管出血、穿孔性腹膜炎などの救急疾患まで幅広く治療を担当しています。手術症例としては、鼠経ヘルニアに対する手術が最も多くなっていますが、従来のメッシュ・プラグ法などに加え、腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術も積極的に行っています。

  令和3年度は、新型コロナ感染症の影響もあり症例数が全般的に減少していますが、がん疾患では結腸・直腸がん53件、乳がん104件など実施しています。標準的な手術、侵襲の少ない治療(腹腔鏡手術)から化学療法・放射線治療を含めた拡大手術まで、一人一人の患者さんの病状、年齢・体力に合った治療を行っています。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 34 0.59 13.06 17.65 75.97
K178-4 経皮的脳血栓回収術 18 0.67 42.78 83.33 80.94
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 15 7.40 12.00 20.00 77.60
K1781 脳血管内手術(1箇所) 11 3.64 16.18 18.18 64.64
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 10 7.20 26.90 40.00 70.50

[定義]

  手術件数の多い順に5術式について、手術術式の点数表コード(Kコード)に対する患者数、平均術前日数、術平均後日数、転院率、平均年齢及び患者用パス(任意)を集計しています。一入院期間で手術を複数回行った場合は、主たる手術(一番点数の高い手術)のみをカウントしています。

[解説]

  当院の脳神経外科は、脳卒中急性期と頭部外傷を診療の柱とする脳神経外科救急医療に重点を置き、一方で頚動脈狭窄症や未破裂脳動脈瘤の治療など脳卒中予防を目的とする外科治療も積極的に行っています。手術症例としては、地域の高齢化にともない慢性硬膜下血腫洗浄術が最も多くなっています。脳血管内手術を含め手術件数は年間約140~180例程度で推移しています。当科では、侵襲性の低い血管内手術を重視しておりその比率が徐々に増加しつつあります。

循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 32 0.44 1.00 0.00 72.25
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 11 0.91 7.82 0.00 79.45
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 9 0.44 8.22 0.00 77.89
K597-2 ペースメーカー交換術 8 0.00 6.38 0.00 83.50
K5463 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 8 0.00 26.38 25.00 75.50

[定義]

  手術件数の多い順に5術式について、手術術式の点数表コード(Kコード)に対する患者数、平均術前日数、術平均後日数、転院率、平均年齢及び患者用パス(任意)を集計しています。一入院期間で手術を複数回行った場合は、主たる手術(一番点数の高い手術)のみをカウントしています。

[解説]

  当院の循環器科は、狭心症や急性心筋梗塞に対するカテーテル手術が最も多くなっています。狭心症などの虚血性疾患の治療は、緊急の場合だけでなく、患者さんの状態に合わせて日を改めて行うこともあります。また、上記カテーテル治療に加えて、徐脈性不整脈の治療としてペースメーカー手術も行っており、術後は毎月第3,4週のペースメーカー外来にて患者さんをサポートしています。

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 46 0.00 1.07 0.00 78.24
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[定義]

  手術件数の多い順に5術式について、手術術式の点数表コード(Kコード)に対する患者数、平均術前日数、術平均後日数、転院率、平均年齢及び患者用パス(任意)を集計しています。一入院期間で手術を複数回行った場合は、主たる手術(一番点数の高い手術)のみをカウントしています。

[解説]

  当院の眼科は、主に高齢の患者さんの白内障に対する水晶体再建術を行っており、基本的には1泊2日で退院されます。また、両眼に対して白内障手術を行う場合は、期間を空けて片眼ずつ手術を行っています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0 0.00
異なる 0 0.00
180010 敗血症 同一 11 0.33
異なる 2 0.06
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.00
異なる 0 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 22 0.67
異なる 2 0.06

[定義]

  医療資源を最も投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症についての症例数を集計しています。また、医療資源を最も投入した傷病名と入院の契機となった傷病名(入院のきっかけとなった病名)が「同一」か「異なる」に分類しています。

[解説]

  発熱や血清CRP上昇など、細菌感染が疑われる方の入院に際し、抗生剤投与前に血液培養2セット採取を励行することで、敗血症合併と診断される方が増加してきています。

  最近の当院データの解析では、採取血液培養検体の約15%が陽性結果となり、さらにその三分の二で、採取二セット中二セットから同一の細菌が検出され、敗血症での正確な病原体診断に貢献できています。

更新履歴
2021/09/30
「病院情報の公表」ページを公開しました。
2022/09/30
「病院情報の公表」ページを更新しました。